1.最初の別表
最初に作成した別表は、現在の別表2である。味の一覧表を第3版に更新するにあたって、別表を作成した理由を以下に述べる。
2.本表に含めることが難しかった例
1)こく、水っぽい、脂っぽい
以前に、これらは味を表す用語と判定できた。ところが、味が下に付く用語ではないので、本表に含めることには困難があった。一方で、味を網羅するのが味の一覧表なので、無視することもできない。そこで、一覧表ver.2では中カテゴリーとして独立表現味、その一つだけの小カテゴリー単独語型を設定して、そこに含めた。そのために、一覧表に異質なタイプの味名が含まれてしまった。
2)レモン風味
かつて風味に取り組んでいた時に、レモン風味も慣用味名の条件を満たすことに気付いた。ただし、風味は味ではなく香りであるという意見も根強い中で、レモン風味も含めると余計な説明が必要になるために、採用を保留にした。
3.別表が必要と判断した例
別表を設定するのが妥当と判断したのは、さわやかな酸味も慣用味名の要件を満たすことを確認した時であった。すなわち、2021年度の日本食品科学工学会で発表した「ビール・清酒・ワインの「標準味用語リスト」」の課題において、さわやかな酸味も慣用味名といえることがわかった。このさわやかな酸味が味の一種であることは疑いない。そして、さわやかな酸味を本表に含めると、味の一覧表が複雑なものになりすぎる。このために、別表を設定するしかないと判断した。
4.別表を設定したことの利点と欠点
1)利点
@多様な表現の味名を柔軟に採用できる。
A本表を、味が下に付く味名に統一できる。
2)欠点
@表が二つになると、一覧表の構成が複雑になる。
A全体としての概念が不明瞭になり勝ちである。